30‐25 「美味しかった、ありがとう。」って言葉
父は昔気質の人というか、昭和の男の人そのもので、
口数も多くはないし自分の気持ちもあまり口にしません。
ご飯のあと、
「美味しかった?」
と聞いても
「おぉ」とか、「こんなもんだろ」とか
返ってくるのはそんな返事で(笑)
イラッとしたり、カチンときたりすることもあるんだけど、
食べ終わった後必ず、口に出さなくても手を合わせます。
「ご馳走さまでした。」
毎日ご飯を作っていると、作る側も食べる方もそれが当たり前になってしまいます。
けどね、美味しいものを食べて欲しいな、美味しいって喜んで欲しいな、
そう思って作ってるんですよね。
そりゃあ、疲れてあり合わせのもので適当に作ったり、
たまにはお総菜を利用することだってあります。
けどやっぱり、ご飯もお弁当も美味しいって思って欲しくて
考えながら作ります。
例えば農家の人たちも、自分たちが作った野菜を美味しく食べて欲しくて
一生懸命育ててくれてますよね。
漁師の人なら自分たちが採ってきた魚を「美味しい」って喜んで食べて欲しくて
朝早くから海に出てると思うんです。
当たり前の毎日のご飯も、お母さんや奥さんは同じように
そんな気持ちで作っているんだと思います。
ただ「美味しい!」「美味しかった!」そう思って欲しくて。
美味しくないこともあるかもしれないし、
好きじゃないメニューの時もあると思います。
けど、本のたまにでいいから
「美味しかった!ありがとう!」
そんな一言があったら、又明日からも美味しいものを作らなくちゃって、
温かい気持ちになれると思うんです。
忘れてませんか?
あなたを思って誰かがご飯を作ってくれています。
だからたまには、ありがとうなんてお礼はいいから
美味しかった時は「美味しかった」って
言ってみて下さいね。
そんな簡単な一言が誰かをとても幸せな気持ちにします。
それが恥ずかしいなら
「ご馳走。」
そう、ちゃんと言うだけでもお互いに気持ちが通ったりしますよね。
そんな、大切で簡単なことをすぐ忘れてしまうけれど
これを読んで思い出してくれたら、言ってみて下さいね。
「ありがとう。ご馳走さま。」
「美味しかった。ありがとう。」