30-24 おいしいパンとブレッドとバンズ
学生時代に海外の食文化について学んでいた時に、
“パン”という言葉について驚いたことがあります。
アメリカやカナダでは“パン”という言葉がほとんど使われておらず、
“ブレッド(Bread)”と言わなければ伝わりません。
そこで初めて“パン”がフランス語だということを知り、
英語になると“ブレッド”なのだと知りました。
もしかしたら日本で最も浸透しているフランス語は
“パン”なのではないかと考えるようになりました。
さらに、日本でハンバーガーのことを説明するとしたら
「パンにハンバーグをはさむ」という表現をする人が多そうですが、
ハンバーガーではさむのはパンではなく“バンズ”です。
ハンバーガーショップで働いた経験のある人であれば
“バンズ”という言葉を知っているかと思います。
そして、上の段、真ん中、下の段と、
3枚のバンズを使った大きなハンバーガーだとさらに複雑です。
一番上はクラウン、真ん中がクラブ、一番下をヒールと呼ぶそうです。
「これはちょっと覚えにくそう・・・」と思いましたが、
海外のハンバーガーショップで働くわけでなければ
この言葉は使わずに済むような気もします。
日本では“パン”という言葉で伝わるものが、
海外だとほかのいろいろな表現に分かれているのです。
名称が違うことを知ると、それぞれの特徴も見分けたくなります。
パンとブレッドとバンズの文化は
私が思っていたよりもずっと深みがありそうです。