30-1 カリウム
カリウムはミネラルの1つです。血圧を下げたり、筋肉や心筋の活動を正常に保つ仕事をしています。それ以外にも老廃物の排泄を手助けしたり、便秘への働きかけを行う栄養素になります。
それでは、カリウムは1日にどの程度摂取すると良いのでしょうか?
カリウムの1日の摂取基準は成人男性2000㎎、女性は1600mgとなっています。特に血圧を下げる効果があることから、高血圧症の人は1日に3500㎎程度摂ると良いとも言われます。
基本的に普通の食事をしていれば不足することはないのですが、下痢や嘔吐が続いていたり、長く利尿剤を服用している場合はカリウムを排出する量が多いので欠乏状態になることがあります。
それでは、カリウムが不足するとどのようなことがおきるのでしょうか?
カリウムが極端に不足した場合、筋力が低下したり、不安や睡眠障害、不整脈や高血圧といった症状が現れることがあります。また重度の低カリウム血症になると筋肉が壊死してしまい呼吸不全といった深刻な症状が現れる心配もあります。
反対に、腎機能に障害がある場合にはカリウムの摂りすぎに注意がいります。腎臓は体内のミネラルバランスを調節している臓器になりますので、その調節機能が十分に働かずカリウムを排出することができなくなると「高カリウム血症」を引き起こします。
そうはいっても、健康な人が健やかに過ごすためにはカリウムをしっかりと摂るようにしましょう。カリウムは芋や野菜、果物に多く含まれていますが、加熱したり、生野菜を流水につけても流れ出てしまうことがあります。
加熱する場合には、その煮汁を利用したスープや味噌汁などにするとカリウムを効率よく摂取することができます。